カードの性質(アスペクト1)

今回と次回のレッスンでは、ルノルマンカード36枚が持つ、カードの基本的な「性質」について学びましょう。

アスペクト、とは、切り口のようなものと考えてください(^^)

今回は、1つめのアスペクト(切り口)として、

  • ポジティブ
  • ネガティブ
  • ニュートラル

の、3種類の性質を学びます。

一つ、ご注意いただきたいのは、これらのカードの「性質」の区分けは、フランス伝統式の意味に則って、ナオミ・ノアが自身で整理・編さんしたものです。

フランスのテキストに、このようにまとめられている、というわけではありません(^^)

また、フランス伝統式を実践し教えている人の間でも、カードの意味合い、ニュアンスの理解は、個人差があります。

でも、きっと、フランスのルノルマン占い師の方が読んでくれたら、皆さんおおむね同意してくれると思います^^

 

質問は、コメント欄にどうぞ(^^)

 

人の気持ちと意図の読み解き方

誰かの気持ちや考えていること、そしてその人の意図を知りたい、というときには、まず、「(誰か・何かについての)気持ち・印象」と、「本人の意図」とを、分けて占います。

なぜなら、一口に気持ちや意図といっても、そこにはいくつかの「切り口」が存在するからです。

たとえば、

「恋人は、私に対してどう思っているんでしょう?恋人の、私への気持ちは?」

という、一見シンプルな質問にも、実は、

1)恋人は、私のことをどのような人間だと思っているのか?どんな人だという印象を持っているのか?女(または男)として見てくれているのか?

2)恋人は、私に対して、どのような感情を抱いているのか?愛しているのか、冷めているのか?

という、二つの切り口が存在します。

1は、印象です。2は、感情です。これらは、占うときには分けて考え、別の質問としてカードを出します。

また、3つめとして、

「恋人は、私との関係を、これからどうしようと思っていますか?」

という、微妙に違う質問を受けるときもあります。これは意図です。

意図を占うときもやはり、印象、感情とは区別して考え、カードを出します。

一般に、「気持ちを占う」といっても、実はそこには、この、

  1. 印象
  2. 感情
  3. 意図

の、3つの切り口が存在するのですね。そして、それらはルノルマン占いでは、別物として扱い、占います。

占い手として、この区別をしっかり整理しておくことが、カードのメッセージをしっかり読み取るカギになります。

 

そして、誰かの印象、感情、意図を占うときは、シグニフィケーターを使って、前回の「人物像の占い方」を応用することで、はっきりとした答えを得ることができます。

 

1)印象を占う

Aさんが、自分自身や、別の誰か(Zさん)のことを、どのような人だと思っているか?を占いたい時。

かりに、Aさんが男性、自分自身が女性、Zさんも女性とします。

Q: Aさんは、わたし(女性)のことをどう思って(どのような人だと思って)いますか?

人物像の占い方をそのまま応用し、シグニフィケーターをまず選びます。

シグニフィケーターは「女性」を使い、その両脇に出ているカードが、そのまま、Aさんの目から見た「わたしの人物像」=印象となります。

映画「マルコビッチの穴」じゃないですが、カードを使って、Aさんの頭の中に入り込み、Aさんの目から「わたし」を眺めている、そういうイメージです(^^)

意味のテキストは、「見た目・性格」のテキストを使うとよいでしょう。


鳥+女性+犬

真ん中の女性のカードは、Aさんから見た「わたし」です。話しやすく、フレンドリーで、信頼できる人だ、と思っている。そういう印象を持ってくれているようですね(^^)犬は友達も表すので、ひとまず、「友達」として、信頼してはくれているようです。

Q: Aさんは、Zさんのことをどう思っていますか?

ふたたび、Aさんの頭の中に入り込んで、Aさんの目から、Zさんを見てみます。Zさんは女性なので、シグニフィケーターは今回も「女性」ですね^^


ハート+女性+花束

あっ!ハートが出ちゃった!AさんはZさんのことが好きなんだ、ガーン(T_T)

…いえいえ、違いますよ。これはあくまで、Aさんから見たZさんの印象、Aさんの目に映る、Zさんの人物像です(^^)

真ん中の女性が、Aさんの目から見たZさんですから、AさんはZさんのことを、あったかハートの持ち主で、美人で可愛らしくおしゃれ(花束)な人だ、とそういう風に見ているわけですね。

「どう思っていますか?」という質問を占うときは、相手が持っている「印象」を占っているのか、それとも相手の「感情そのもの」を占っているのか、を、占う前にはっきり分けておかないといけないのは、このため。

そうでないと、ハートのカードをうっかり恋愛感情、と読んでしまったかもしれませんね。

これが、気持ちを占う際の、要注意ポイントです(^_−)−☆

2)感情を占う

同じ「わたしのことをどう思っていますか?」でも、わたしに対してどのような感情を抱いているのか?を知りたいとき。

これも、人物像を占うときと同じ方法を使って、占うことができます。

Q: Aさんは、わたしのことをどう思って(どんな感情を持って)いますか?

これも、Aさんの中に入り込んで、Aさんから「わたし」を眺めて、その感情を探ります。わたしは女性なので、シグニフィケーターは「女性」のカードですね(^^)

感情を占うときは、意味テキストは、「気持ち・意図」の一覧を使うとわかりやすいです。


ハート+女性+クローバー

ハートのカードが出ました!(^^)

今回はAさんの抱いている、わたしへの感情を占ったので、「好き」と思ってくれているようです!

クローバーのカードは、チャンスを狙っている意味でもありますが、気持ちとしては「うまくいけばラッキー」という、ちょっと場当たり的なところはあるので、一生懸命何度も根気よくアプローチしてくれる感じではなさそう(^^; Aさんが何かアクションを起こしてくれた場合、それが最初で最後の可能性が高いので、付き合いたいなら即OK!したほうがよさそうですね。

Q: Aさんは、Zさんのことをどう思っていますか?(感情を知りたい)

Zさんは女性なので、今回も、シグニフィケーターは「女性」のカードを使いますね。そして、Aさんの中に入り込んで、Aさんの目からZさんを眺め、気持ちを探る…


月+女性+クローバー

んんん?月のカードは、優しく見守る気持ちもあるけど、「その気になっている」意味も… 恋愛で出ると、特に、ロマンスとか、誘惑される、性的にそそられるという意味も出てくるので、、あれれ?(^^; Aさんは、Zさんにも、女性として惹かれている様子。。。

とりあえず、右側がクローバーで、やはり、うまくいけばラッキー!程度の気持ちだから、とことん追いかけるわけではなさそうだけど、うーむ、なんだかAさん、ちょっと目移りしやすい人なのかも?(^^;

3)意図を占う

ということで、Aさんは、いったいどういうつもりなんだろう?Aさん意図を占ってみることにしましょう。

Q: Aさんは、わたしとどうしたいんでしょう?Aさんの意図は?

誰かの意図、これからどうしたいのか、どうするつもりなのか、何を求めているのか…といったことを占うときは、その意図の出どころ、根拠である、その人本人のカードを、シグニフィケーターに選びます。

この場合だと、Aさんの意図が知りたくて、Aさんは男なので、「男性」のカードがシグニフィケーターになるのですね(^^)

そして、意味テキストは、「気持ち・意図」の一覧を使うとよくわかります。


木+男性+錨

木はあるべき姿を大事にしたい、価値観や生き方を曲げない意味。錨は自分の勝手にはできない意味。基本の意味のテキストもあわせて見ると、生涯にわたる関係を築きたいという意味もありますね。

Aさんは、「わたし」に対しては、自分の気持ちで関係をどうこうするのではなく、今のお互いの価値観を尊重しつつ、あるべき姿に自然となっていくのを大事にしたい、恋愛うんぬんより、一生付き合える間柄でいたい、と思ってくれているようです。好きだけど、恋愛感情を優先する結果、気まずくなったり、その後友達にもなれないようなことになったら、嫌なのでしょう。

では、最後に気になるこの質問も…

Q: Aさんは、Zさんと、どうしたいと思っているんでしょうか?

Aさんの意図を知りたいので、シグニフィケーターはAさんをあらわす「男性」ですね。


庭園+男性+雲

庭園は、楽しく盛り上がりたい、人から注目されたい、たくさんの出会いという意味なので、Zさんに対してはまず、単純に楽しみたいとか、出会ったときの盛り上がり感、あとは、美人でおしゃれ(花束が出てましたよね)なZさんと仲良くなれれば、みんなから「いいな〜、やるじゃん!」と注目されるなと、そんな周りの目を意識しているところがありそうです(笑)

でも、右のカードは雲なので、その先は…「霧の中、雲の中」、先のことは「わからない」。先のことまでは考えていなさそうです(^^;

 

誰かの気持ち・意図を占うときは、このように、知りたいことは「印象なのか、感情なのか、意図なのか」を、まずはっきりさせ、それに従ってシグニフィケーターを選び、カードを展開すると、明確で具体的な答えが得られます(^^)

α)対象を絞らないで、気持ち全般を知りたい場合

もし「誰かに対して」ではなく、今のAさんの一般的な気持ち、気分を知りたいときは、意図を占う場合と同じように、Aさんの「男性」をシグニフィケーターにして占ってOKです。

Q: Aさんは今どんな気持ちでいますか?


雲+男性+ゆり

考えることがあれこれあって、どこから手をつけていいかわからないので、しばらくぼーっとして頭を休めたいな〜、リラックスしたいな〜と、そんな気持ちでいるみたいですよ(^^)

 

こうした占い方に慣れてきて、もっと自由に、あるいは、過去から未来への気持ちの移り変わりも読んでみたい、という場合は、スリーカード・スプレッドを使って占ってもよいでしょう。

その場合も、聞きたいのは印象なのか、感情なのか、意図なのか、を、はっきりさせ、そして、シグニフィケーターがそれぞれ誰を表すのか?をきちんと整理してから、カードをシャッフルするようにしてください。

質問は、コメント欄にどうぞ♪

 

スリーカード・スプレッド

3枚が奏でるストーリー

前回のツーカード・ドローに、新たにもう一枚のカードが加わります。

1枚目のカード、2枚目のカード、3枚目のカード、それぞれに、微妙な役割の変化も生まれます。

少ない枚数でありながら、ルノルマンカードならではの、ストーリー性の高い、深い読みができるスプレッドです。

素早く、端的かつ具体的に、質問の答えを知りたいときに。

展開法

質問を決め、カードをシャッフルしたら1〜3の順にカードを並べます。

3CardSpread

リーディングのしかた

1)まず、それぞれのカードが持っている役割に従って、出たカードを読んでみます。

1枚目のカード:全体のテーマ/過去

質問の答えの背景に流れるテーマ、考えるべき事がらをあらわします。また、時間の流れでは過去を表します。

2枚目のカード: 問題の鍵・アドバイス/現在

問題や状況の鍵となる事がら、ポイント、アドバイスをあらわします。時間の流れにおいては、現在を表します。

3枚目のカード:最終的な答え、良し悪しの判断・最終結果/未来

最終的に物事がどのようになるか、良い結果といえそうか、良くない結果になりそうか、最終的な答え・判断を読みます。時間の流れでは、未来を表します。

【時間の流れについて】過去・現在・未来の読み方については、次週のレッスンでも、詳しく学びますが、ルノルマン占いでは、基本として、時間は左から右に向かって流れる、と覚えておいてください。また、時間の流れを必要としない答えももちろんあります。

2)次に、カードの役割にとらわれず、自由にカードを読んでみます。

1枚目のカードと2枚目のカード、2枚目と3枚目のカードを、それぞれ組み合わせて読むと、どんなリーディングができるでしょうか。

カードそれぞれが、背景、登場人物、小道具のようになって、3枚で一つの絵のように見えることもあります。

また、人物像の占い方でやったように、真ん中(2枚目)のカードが答えや鍵となる誰か・何かを表していて、1枚目と3枚目がそれぞれ、その真ん中のカードを描写している、ということも、よくあります。

ただし、真ん中のカードを飛び越して、1枚目のカードと3枚目のカードだけを組み合わせて読むことはしません。

ルノルマンカードは、組み合わせて読むのは、「隣り合うカード」だけです。

占例

質問:現在就活中です。私に合った仕事が見つかり、無事採用されるでしょうか?

占例1
きつね+手紙+鍵

リーディング:

1枚目のカード:全体のテーマ/過去

14きつね - 生活のためにする仕事を意味します。好き嫌いよりは、生活のために継続して収入を得られることを念頭において、仕事を選ぶことがテーマです。また、いくつもの求人を実際に見て観察きたこれまでのいきさつ(過去)も表しているでしょう。

2枚目のカード: 問題の鍵・アドバイス/現在

27手紙 - 履歴書、資格を表すカードです。質問者さんは、何か仕事で使えそうな資格を持っていそうです。もしそうなら、その資格を活かせる仕事にターゲットを絞りましょう。また持っている資格について、履歴書でしっかりとアピールをすること、充実した経歴書を用意することが、無事採用へのポイントのようです。もし今、思い当たる資格がないなら、今からでも資格取得を先にしたほうが、将来的な就職への近道になるでしょう。

3枚目のカード:最終的な答え、良し悪しの判断・最終結果/未来

33鍵 - 解決や、扉を開く鍵を手にいれる意味です。資格を活かせる仕事に的を絞って就活を続けていけば、無事に仕事を得ることができそうです。

 

14番のきつねと27番の手紙の組み合わせは、書類事務・レポート・調査員・情報発信・雑誌などに関係した仕事が有力な暗示かもしれません。そちら方面の資格や関心をお持ちなら、なおのことそうでしょう。

27番手紙と33番の鍵の組み合わせは、そのまま、「資格がカギ」「履歴書がカギ」と読めます。これは、2枚目の「問題の鍵・アドバイス」の位置に出てきた手紙のカードのメッセージとも重なります。このように、一つのカード展開の中に、同じメッセージが繰り返し現れるのは、ルノルマン占いの特徴の一つであり、また、占い手が正しくカードのメッセージを読めているという確証にもなります。

ご質問はコメント欄にどうぞ(^^)
※「自分でした占いで、このようなカードが出たのですが、どう解釈すればいいでしょうか?」といった、ご自分でされた占いの解釈についての質問は、Lesson2の自由練習用トピに投稿してください。