病気の原因や現れ方は複雑なことも多く、カードを一枚見て「○○病ですね」と言い切れるようなケースはまず稀です。
そもそも、医師でもないのに、病名を断定したり、治療法を指示するようなことは、法律に触れる可能性があります。
また、実際の問題として、質問者が苦しんでいる症状が現れている部位と、実際に病んでいる部位が異なる場合が多々あります。
ですので健康・病気を占う際は、
「原因と考えられる事柄」
「現れている症状」
「病んでいる、ダメージを受けていると思われる部分」
をそれぞれ分けて考え、別々にリーディングするようにします。
たとえば咳がひどくて呼吸が苦しいといった「症状」で、ひどい風邪か気管支炎かと当人は思っていたけれど、実際には気がつかないうちに発症・進行していた子宮がんが「原因」で、それが肺に転移してしまっていた(病んでいたのは子宮と肺)、というようなケースが現実にあったりします。
質問者さんが「ここに症状がでているからここが病気ではないか」と相談してきたからといって、いきなり特定の部位に限って占いをすると、こうした「本当の原因」や「本当に病んでいる部分」を見過ごしてしまいます。
健康の占いには、大きく分けて2つのパターンがあります。
A)健康全般について占う
とくに気になる症状はないが、今の健康状態を見てほしい、注意したほうがいい部分があるかどうかや、健康を維持するためのアドバイスがほしい、といったケース。持病や治療中の病気がある方であっても、それにとらわれずに全体的な健康状態を見てほしいという場合ももちろんあります。
B)特定の症状や病気について占う
気になる症状や治療中の病気がすでにあったりして、その原因や、病気なのかどうなのか、病院に行った方がいいのかどうか、対処方法や、治る見込みの有無など、特定の症状や病気に焦点を当てて占いをするケースです。
それぞれのパターンにしたがって、具体的な占い方法を説明します。
A)健康全般について占う方法
健康全般について占う場合は、不調や病気があるかもしれないし、まったくない可能性もありますので、ネガティブなカードの存在、そして治療や医療行為を暗示するカードの有無に注意しながら、見ていきます。
ネガティブなカードは、不調や病んでいる箇所がある可能性を暗示します。
実際に病んでいる場合は、隣り合うカードが、病んでいる箇所を示すことが多いです。
ねずみ+熊+塔
ねずみがネガティブです。隣り合う熊は胃または食事や栄養を表します。胃になんらかの不調があるかもしれません。
もしくはねずみの浪費やひっきりになしに動くことから、体重の減少とか、栄養バランスが乱れている(ジャンクフードや野菜不足)可能性も読めます。またダラダラ食べ、不規則な食事など、食生活そのものが乱れいている可能性もありますね。
この辺で思い当たるものがないか、質問者に確認します。
いきなり「胃に病気がありそう」なんて言ってしまうと、ショックを与えかねないので、まずは傾向や、考えられる症状や兆候などがないかを確認するところから入りましょう。
思い当たる節があるなら、「胃など消化系に不調が現れやすいかもしれませんね。食事の良し悪し、食習慣が、健康を左右するようですから、気になることが出てきたら、放って置かないでお医者さんに行ってくださいね」と伝えておきましょう(ここでも、胃に病気がある、といった断定的なことは言わない)。
十字架+犬+鳥
こちらはどうでしょう。十字架はネガティブです。犬は口や舌。犬は健康占いではお医者さんのシンボルでもあります。
でもやはり、いきなり、「口の中や舌に悪いところがあるかも!」とは言いません。
十字架は具体的には強い痛みを表すカードですので、
「体のどこか、小さなところでも、気になるような痛みなどはあるんですか?」
と聞いてみましょう。
もし、痛みは特にない、ということであれば、この十字架は、体のどこかが悪い暗示というよりは、心の痛み、悩み、心配や不安、気苦労などを表している可能性が高いでしょう。そうなると犬はお医者さんやカウンセラー。鳥もカウンセリングや相談ですので、
「特に、体の部分で、これといって要注意のカードは出ていないようですが、心の中に、悩みや心配、過去のことで今もずっと引っかかっているようなことがありそうな暗示です。心配事は、一人で悩まずに、カウンセラーやセラピストに思い切って打ち明けたほうがよさそうですよ。心の痛みがいずれ、体の痛みになって現れてくる可能性もゼロではありませんから」
というふうに、伝えてみることができるでしょう。
なお、ここでは分かりやすくするために、スリーカード・スプレッドを使いましたが、健康全般を見る占いでは、シックス・ドロアー・スプレッドも力を発揮します。
占い手が混乱しないことが大事なので、健康占いにある程度慣れるまでは、スリーカードを活用して占っていき、慣れてきたら、シックス・ドロアー・スプレッドにも挑戦してみると、さらに踏み込んだリーディングやアドバイスができるでしょう。
B)特定の症状や病気について占う
特定の症状や病気がすでにあって、そのことを占って欲しいというケースでは、まず、質問者が知りたいことを明確にしておきましょう。
原因を知りたいのか?
病気かどうか(心身に病んでいる場所があるのかどうか)を知りたいのか?
どうすれば良くなるか(対処法)や病院に行くべきかどうかを知りたいのか?
実際には、このすべてが知りたいケースがほとんどなのですが、たとえそうでも一気に占おうとせずに、一番気になっていることから順に占っていったほうがよいでしょう。
1.原因を知りたい場合の占い方
ある症状や病気の原因はなんなのか、をピンポイントで知りたい場合は、スリーカードやライン・オブ・ファイブなどで端的に占うのがベストです。詳しい「原因の見極め方」は、「病気や不調の原因を突き止める」を参照してください。
2.病気かどうかを占う方法
病気なのかどうか、病んでいる部位があるのかどうか、を占うときは、少し注意が必要です。
基本は、Aの、健康全般を占う方法で占えばよいのですが、たとえば背中が痛くてお医者さんで診てもらったけど背中や骨はどこも悪くないと言われた、といった場合で、実は体の他の部分(たとえば胃)が病んでいて、質問者さんは症状を取り違えていた、というようなことがあるからです。
ですので占い方としては、1の方法で原因を先に占って、質問者さんが気にしている症状や病気の正体を見ておいてから、さらにAの方法で、体調全般を占い、見過ごしている部分がないかをチェックするのがベストです。
3.対処法について知りたい場合の占い方
2で、実際に病んでいる暗示が出ている場合は、対処法も一緒に暗示されていることが多いです。たとえば医師の助け(犬)を得るべき、とか、検査の必要性(本)、医療処置(鎌)をしてもらうべき、など。
とはいえ、自覚症状やカードの暗示があるのならもちろん、2の占いとは別に、スリーカードやライン・オブ・ファイブで、「この症状や病気にはどのように対処すべきでしょうか」と占いましょう。
こと健康占いに関しては、慎重に慎重を重ね、いろんな角度から何度も占って、占いすぎということはありません(答えは出ているのに不安で同じことを何度も聞くのはタブーですが)。
そして、仮に、カードでははっきりと医者の介入などが暗示されていなかったとしても、病んでいる暗示があったり、本人が心配している場合は、迷わず、医療機関を受診するように伝えましょう。
健康を占うさいの注意点
健康や病気の占いは、トラブルも非常に多い分野です。安易に引き受けたり、曖昧な判断で相手を不安にさせたりするくらいなら、占い自体を断る方が賢明かもしれません。引き受けてはみたものの、やっぱりわからない、自信がない場合は、占い途中であっても中断し、相手に対して誠実に「自分の今の実力では判断が難しい」ということを認め、占いではなく医療機関に相談してもらうようにお願いしてください。
そして、何より大事なこととして、「占いだけで病名や治療法を断定したり、反対に、大丈夫だと太鼓判を押したり、は絶対にしないこと。」、これはくれぐれも肝に銘じておきましょう(法律に触れる可能性もあります)。
カードにネガティブな要素が一つでもある場合や、そうでなくても質問者さんが心配している場合は、必ず医療機関を受診するようにアドバイスしてください。
占いは、病気の有無や病名の診断をする道具ではなく、物事の原因や真相、ふさわしい対処法などの「導き」を得るためのツールなのです。
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